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この日記はアーティスト・イン・レジデンス”ndl”でプーケット滞在中に書かれたものです。
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一日で二回日記を書くのはルール違反かもしれないし、書かなければいけないとも思わないのだけれど、スタバを出てからいままで何もなかったかというとそうでもなく、まとまらなくても書き留めておいたほうがきっといい。
パトンビーチに行ったのは二回目で、今回もまた夜だった。帰り道、一方通行なのか行きには通らないビーチ沿いの道をモトの後ろに乗っていると、過ぎていくのは閉められたビーチパラソルが砂地から生えているような景色と、山道の頂上から見える明かりの少ない景色で、体の中に流れているリズムはずっと一定、音楽ではなくリズムだった。明日から学校は三連休になって、このアパートは大学生も住んでいるから、ドアの向こうから今聞こえてくる音楽や声は大学生のものだろう。もう朝になる、今日が特別なのは今日だけでもいいと思うことは思考の放棄になるだろうか。
別に難しいことを考えているわけではない。というか、考えているわけでもない。ただ、「あっ」と思う瞬間を全て覚えておくことはできず、出かけるときにはカメラをもってしまう。
例えば、パトンビーチ一番の歓楽街、歩行者天国になっている広い通り沿いのバーでビールを飲んでいるとき、松葉杖をついた女性とそれに付き添う男性が道の真ん中で立ち止まっていた。
例えば、その後にやってきたバラを売るおばさんとカーネーションをうるおばさん、観光客の男性にしきりに声をかけ、買った男性はそれを近くの女性に差し出した。彼女はたぶん売春婦。
これらは確かに不思議な光景で撮ろうと思ったから撮ったのだけれど、覚えていられるならそれでいい。忘れるのが不安でカメラをもつが、でも大切な瞬間は撮ったものだけとは限らない。
例えば、夜中の3時を回ってから行ったSafariという屋外のバー兼クラブ兼いろいろなところ、その中にボールを的に当てるゲームがあった。近くには水が入った大きなバケツの上には女の子がスタンバイしていて、ボールが的に当たると落ちてずぶ濡れになる。信藤はそれはオカマだという。四人で陣取った席の横はすぐ池で、ボクの椅子の後ろにはプロジェクターが雨よけフードをかぶって置いてあり、サッカーの試合が、たぶん録画したものが池の奥のスクリーンに投影されていた。前の店で何杯かビールを飲んでいたから、ボクはここではコーラを頼み、ヒップホップがメインなんだけれどヒット曲ばかりが流れる中、ビンを片手に体を揺すっていると試合は終わり、どこかの街の風景になる。周りは森で、ヒップホップで、池があって橋があって、外人ばかり酒を飲んではしゃいでいて、プロジェクションされるのはヨーロッパのどこかの街。オクノが言うにはそこはバルセロナだ。



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