レッドブルが行っている「シート借りました」プロジェクト。これってメディアアートじゃね?ということを検証する前に、1970年のコカコーラ・プロジェクト(スィウド・メイレリス作)という作品を前エントリーで紹介しました。今回は、実際にレッドブルの「シート借りました」を検証してみます。
レッドブルさんの「シート借りました」はこんなプロジェクトです。
「シート借りました」「タイヤ借りました」。
渋谷キャット・ストリート沿いに放置駐して居る自転車のパーツが、次々と盗られていました。しかも、丁寧に「必ず返します」と札を付られています。
相当数の自転車が、被害(?)に遭っているようです。
2009年5月24日(日)、20時過ぎ。
見事に、タイヤやシートが無くなっています。<札に書かれている記述>
タイヤ(シート)借りました。
自転車の持ち主へ
2009年10月11日(日)に開催される
RED BULL BOX CART RACE用に
あなたのタイヤ(シート)を借りました。
イベント後に必ずお返しします。REDBULLBOXCARTRACE.JP
「RED BULLが放置自転車のパーツを手当り次第に借用?」@キャット・ストリート|Shibuya Works | シブヤワークス
スドコはまだ現場を見てないので、勝手に引用。
やってることをまとめると、
放置自転車のパーツを勝手に借用(盗んだともいう)し、手紙(ボックスカートレースの宣伝つき)を貼る。
シンプルですね。
でも、放置自転車が社会的な問題であることを意識しながら考えると、このプロモーションがコカコーラプロジェクトっぽいメディアアート性を持っているように感じられてきます。
ボックスカートの広告を貼る
あっちこっちにある放置自転車を広告掲載の場所として使うだけなら、普通の「奇抜な広告」です。
でもその広告はボックスカートレースの広告です。
ボックスカートレースは「環境を考え、健全な地域社会に貢献することを目的」として開催されます。明確に言ってはいませんが、放置自転車はいけないよ!というメッセージをなんとなく感じます。
ボックスカートレースのメッセージによって、放置自転車が自己批判するメディアになるわけです。
パーツを盗る
放置自転車は一種のゴミですが、自転車として機能するからあまりゴミっぽくないです。
だから放置自転車に「放置自転車はゴミです」という張り紙をしても、ゴミとしては感じられにくい。まだ使えるだろうし。
でも、パーツを盗られた放置自転車は自転車としてはもう機能しません。
もはや自転車ではなく、ホントにゴミです。
パーツを盗ることで、放置自転車がゴミにあることを誇張し、自己批判性を強めます。
パーツを使用する
実際にそのパーツがボックスカートレースに使われる。
放置自転車のリサイクルですね。
盗ることでゴミであることを強調するだけでなく、盗ったものを利用することでリサイクルへの道筋を提案する。
おそらく、「放置自転車で作った」ボックスカートが実際にレースにでるはずです。
レースにでなければリサイクルは完成されませんから。
パーツを返却する
パーツは使用後返却される。
これは一種のユーモアでしょう。返却されたらメッセージは消え、放置自転車はメディアではなくなり、状況は改善されません。
「返却されたら困るでしょ?」ってことですね。
さて、前エントリーで紹介したコカコーラ・プロジェクトは、資本主義を代表する製品=コカコーラの瓶と流通経路を利用して資本主義への反対メッセージを人々に伝える作品でした。
そしてレッドブルの「シート借りました」は、放置自転車という社会的ゴミを利用して「ダメ!放置自転車!」というメッセージを人々に伝える作品、と解釈できなくもないかなーとかなんとか思ってみたり!!
「ダメ!放置自転車!」のメッセージが伝わって放置自転車が減ったとしたら、このプロモーションができなくなるというところもいいですよね。
レッドブル的には、ボックスカートレースのプロモーションとしか考えてないかもしれません。
でも、スドコにはこのプロモーションは実にコンセプチュアルなメディアアートだと感じられるんです。
そして、出場したくなっちゃうんです。
出場するための情報がまとまったエントリーキットというPDFファイルがダウンロードできるんですが、それをみると設計段階で線引きされるようです。ちゃんと設計しないと出場できない。割と敷居が高いです。
設計方法を教えたりする講義や、一緒に考えよう的なワークショップを開催するといい気がします。
レッドブルボックスカートレースは、2009年10月11日に開催されます。
詳しくは、Red Bull Box Cart Raceを見て下さい。
最後に、ボックスカートレース参加チーム募集の動画をどぞ。




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